サイバー銀閣寺

わびさびと呼ぶにはあまりにもインターネット

2020年個人的に良かったアイマス曲①

アイドルマスターの話をします。

タイトルの通りです。
頑張って絞ろうと思ったんですが曲多すぎてダメなので、今回は2記事に分割します。

これは去年の
2019年個人的によかったアイマス曲100連発 - サイバー銀閣寺

まずはだいたい9月くらいまでの曲です(アレがアレして上半期のリリースが少なめだったため)。
初出が2019年でフル尺が出たのが2020年とかのも含みます。
SideMは未履修なのでおすすめ教えて下さい。ハイジョが好きです。



1. Secret Daybreak

歌:速水奏新田美波
作詞・作曲・編曲:烏屋茶房
収録:THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER for the NEXT! 04

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いきなりごめんなさいなんですがこれは完全に去年の曲です。
去年の曲紹介記事を書いた時点でフル音源が出てなくて飛ばしちゃったので今触れちゃいます。
(11月の初出ライブでフル尺で歌ってましたが)

シンデレラガールズ速水奏新田美波のデュオユニット『デア・アウローラ』、暁の女神という意味だそうです。
デレマス190人で女神総選挙やったらワンツー取りそうな2人ですね。
全体的にハモリが綺麗にハマっていて、違うメロ違う歌詞を同時に歌うなどポリフォニックな展開も入ってくる耳に気持ちのいいデュエット曲。

詞曲は各所で活躍中の烏屋茶房さん。相変わらずピアノの分散和音がイカしてます。
耽美ながら芯の強さがある世界観で、いとしさとせつなさとなんとかって感じです。

デレステのMVにかなり力が入っていて一見の価値ありと思います。


2. Claw My Heart

歌:早坂美玲(CV:朝井彩加)
作詞:ミズノゲンキ 作曲・編曲:石濱翔MONACA
収録:THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 055

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シンデレラガールズ早坂美玲の初ソロ曲。
印象的なガールズモンスターパンクファッションをこれでもかと取り上げた一曲です。
重いながらも切り裂くような烈しいサウンドがめちゃくちゃアガリます。シンセリフ大好き。

キャラについてはここでは深く語りませんが、

違うのは怖いモンな
だけど最強になるなら

2番歌詞のこの辺はかなりエッセンスが詰まってる感じがします。


2番サビ、

左目には夢を映して

眼帯してる側の目なのメチャメチャいい。

作詞ミズノさんは『∀NSWER』に『リトルリドル』と美玲ちゃん絡みの曲やたら書いてるからか流石に「わかってる感」がありますね。


以下、同時にリリースされたソロ曲2人分も良かったので書いていきます。


3. あらかねの器

歌:藤原肇(CV:鈴木みのり)
作詞:森由里子 作曲・編曲:椎名豪
収録:THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 056

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藤原肇ソロ。趣味は陶芸。あと釣り
これはもう聴けば一発ですごい曲だということがわかります。

詞曲の森由里子さん椎名豪さんはそれぞれアイマスでもバシバシ名曲を出してますが、コンビを組むのは如月千早の『眠り姫』以来でしょうか。
そこに歌唱力オバケの鈴木みのりさんときてクレジットだけで勝ちが確定しました。
曲のテーマの一つが「未完成さ」だと思うんですがこんなにやっちゃって大丈夫ですか?

椎名豪お得意の重厚壮大なオーケストラに和楽器が入ってかなり雰囲気が出てますね。
緊張と解放のエネルギーがとんでもないです。ライブで聴いたら音だけで泣くことが既にわかっています。
スタッフリストを見たら例によってめちゃめちゃ聞いたことある~みたいなプロオケ奏者が普通に参加してました。 日本コロムビアパワーだ!

2番以降のダイナミクスやフレーズ展開が大変にドラマティックで圧巻なのでぜひともフルで聴いてほしい1曲です。

森由里子さんがブログでこの曲に触れていましたのでこちらも。
4/22リリース!THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 056藤原肇 | 作詞家 森由里子オフィシャルブログ「ユリコの森」Powered by Ameba


100%完璧な余談ですが、この曲で篠笛を吹いている坂本圭さんは、
僕が一時期ドハマリしていたニンテンドースイッチのオクトパストラベラーというゲームのBGMで一通りの笛を担当していた方でした。
フルートピッコロはもちろんケルト楽器の表現が素晴らしかったです。

OCTOPATH TRAVELER - メインテーマ -

OCTOPATH TRAVELER - メインテーマ -

music.apple.com

このゲームはメインキャラ8人それぞれにストーリーとテーマ曲がついていて、それぞれ象徴的な楽器が違ったりするので、アイマス曲の記事なんて読んでる方には刺さるんじゃないかと勝手に思っています。
BGMのみならずシナリオにシステムにグラフィックにどれをとっても楽しめる良作でした。オススメです。
今年スマホ版も出て割と盛り上がってましたね。

デレマス多田李衣菜役の青木瑠璃子さんもメインキャラで出演しています。納得のキャスティングでした。それが目的で買ったわけじゃないんですけれども
アイマスの話に寄せるとあとは松岡禎丞さん梅原裕一郎さんあたりが出てます。


4. OTAHENアンセム

歌:夢見りあむ(CV:星希成奏)
作詞・作曲・編曲:BNSI(佐藤貴文)
収録:THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 057

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問題児です。
話題性◎の夢見りあむソロ。
りあむ出てくるたびにツイッターが地獄になりますが、なんだかんだで登場から2度目の総選挙でも上位をキープ、アニバキャンペーンではどセンターを飾りました。オタクはちょろいので。

なにかキメているテンションのオケにデレマス看板曲おねシンの暴力的パロディ、なぜかちょくちょく入る有名クラシックの引用、厄介MIXオタクソロと期待(懸念)を遥かに上回る突っ込みどころを用意してきてます。
「オタクくんの大好物」ってパッヘルベルのカノンのことだったんですか?

それでも最後まで聴くとキャラクターの芯の部分がちゃんと表現されていて(いい意味でも悪い意味でも)シンデレラっぽい曲ではないでしょうか。
詞曲は『あんずのうた』の作曲を担当した佐藤貴文さん。

MIXなるものには特に賛否ありますが、個人的にはあくまで「りあむの曲のコール」ということで楽しみたいと思います。
ちひろさ~ん!!ちひろさ~ん!!スタンプログインキャンペーン!!!」は正直かなり好き。


5. ミラーボールラブ

歌:宮本フレデリカ、棟方愛海及川雫、荒木比奈、姫川友紀
作詞:MCTC 作曲・編曲:TAKU INOUE
収録:THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 3chord for the Dance!

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これも初出は去年ですがフル版リリースが今年だったので。
デレマス7thライブ名古屋公演のテーマ曲です。

ダンスミュージックと言われたらTAKU INOUEがくるのはまあ知ってたって感じです。ありがとうございます。
アニソン系のクラブイベントでイノタク曲をかけないとアニクラの神の怒りに触れるので誰かしらが流すしきたりになってるそうです。
御尊顔をスクリーンに映すのも有効らしい。

ド頭のブラスの雄叫びからのアー・アー・アー・アーでもう文とか書いてる場合じゃ無くなってくるのでリモートワーク中なんかに聴くのはお勧めできません。
『クレイジークレイジー』でもそうでしたが、サビの前にボーカルのない盛り上がりどころ、いわゆるドロップが来る構造になっているのがクラブミュージックとの両立を図っていてシビれますね。
ナゴヤドームは完全にダンスフロアと化しました。

7th名古屋はセトリといい演出といい伝説的な公演だったので、シンデレラを全然知らない人にライブ映像を勧める時にはかなり良い感じではないかと思います。


6. 躍るFLAGSHIP

歌:小日向美穂佐藤心北条加蓮
作詞:只野菜摘 作曲・編曲:BNSI(ミフメイ)
収録:THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 3chord for the Dance!

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待っててね

続いて同CDのリード曲です。

『躍るFLAGSHIP』は3chordシリーズ1枚目の『不埒なCANVAS』とストーリーを共有してますのでそちらも是非。
不埒な~は告白する側の曲、今度は告白された女の子側が返事をするまでの心情を綴った曲です。
「女の子の強さ」を歌うのがシンデレラガールズ的すぎてやばいですね。
キャスティングがまた強かな女〜〜〜〜って感じでドンピシャです。
タイトルがダンスの「踊る」じゃなくて「胸が躍る」とかの方の字なのがまたその強い女が動揺してる様が現れててめちゃくちゃ良くないですか?

それでいて当然のようにブリッブリのダンスナンバーに仕上がっています。
作曲ミフメイさんはアイマスに参加し始めたのは比較的最近ですが今後も楽しみです。

既にシリーズ最後の第3弾「3chord for the Rock」がリリースされており、メイントラック『イケナイGO AHEAD』は結ばれた二人を見て失恋を知る3人目の曲です。
このCDシリーズの話はまた今度したいと思いますが、MASTER SEASONSシリーズといいこういう連作ものは歌詞を読んで想像できる部分が多くて面白いですね。
デレマスはキャラが多いのもあって「キャラ・ユニットの紹介曲」みたいな曲が結構多いんですが、こういう「曲のための曲」は楽曲単体でのクオリティが高いのでこれからも期待したいところです。


7. I'm yours

歌:天海春香(CV:中村繪里子)
作詞・作曲・編曲:宮崎誠
収録:THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 4 01天海春香

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765ASメンバー、実に5年ぶりのソロシリーズ!と思ったら曲名で絶句するやつです。
人称代名詞を習ったばかりの女子中学生の僕にもその深刻さが伝わってきます。

曲の方はというと、優しい歌い出しからアップテンポで楽しげな表情になる実に春香らしい1曲に仕上がっています。





これもしかしてアイマス15周年記念曲ですか?
ヤバくない?過去現在未来のすべての想いが詰まってませんか。
愛が歌の形を取ったらこれになるんじゃないでしょうか。

ちょっとどの歌詞を引用したらいいのかわかんない……
逆にあんま意味なさそうな行を引いてみるか?と思ったらなかったです。そんなことあるんだ。

いや俺お前ほんと天海春香と繪里子さんがアイマスを引っ張ってきてくれてマジで良かったよ泣という、そういう気持ちになってきますね。
脳味噌の奥の方から「これからもアイマスですよ」と聞こえてきます。


8. 炎ノ鳥

歌:四条貴音(CV:原由実)
作詞:井筒日美 作曲・編曲:渡部チェル
収録:THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 4 02四条貴音

同じくMA4シリーズより四条貴音ソロ。炎(ひ)ノ鳥です。
ハードでいて流麗で妖艶な和ロック。
僕はヘヴィメタルが結構好きなんですが、これはメタルだと思います。
メタルがなんなのかは未だわかりませんがサウンドがどうとかではなくメタルの魂と信念を感じます。

そんな戦争の種はどうでもいいんですが、改めて貴音の神秘的な底知れなさ、その一方で人間味ある柔らかさを感じさせる曲です。
気高さと弱さとしなやかさと強かさと優雅さと泥臭さとすご……すごくない?
貴音が凄すぎて怖い。貴音Pの皆さんがどう向き合ってるのかわかりませんが僕の気持ちとしてはほぼほぼ「崇拝」です。

タイトルの通り不死鳥がモチーフの曲ですが、ラスサビのあとにイントロに歌詞をつけたフレーズで終曲するのが何度も蘇る様を表現しているようでいいですよね。
こういう定番の構造を外してメタ的な曲作りをしていくのは大好きです。

同CD収録のカバー曲も必聴です。
GLAMOROUS SKY
焼け野が原
どっちも歌い出しの殺意が高すぎます。ヤバすぎて口から稲妻TUESDAY出ました。
原由実さんの声、耳から入った後に一旦脊髄舐めまわしてから脳に届きますよね。


9. ピピカ・リリカ

歌:高槻やよい(CV:仁後真耶子)
作詞:烏屋茶房 作曲:篠崎あやと・烏屋茶房 編曲:篠崎あやと
収録:THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 4 03高槻やよい

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可愛い〜〜〜〜〜〜〜〜〜
MA4より高槻やよいのソロです。
クレジットで言うと、今をときめく烏屋・篠崎がついにASにも来てくれました。

悪い意味ではなくザ・キッズアイドルな曲ですね。
前向きな歌なのになんでこんなに泣きたくなるんでしょう。
それは僕らがいまや失ってしまった純粋な気持ちを全身で表現してくれるからでは無いでしょうか。
夢、希望、未来、素直な心…………

いやしかし、きっと僕らもそれを見守りながら同じ夢を見てもいいのです。
全体的に語感を重視した呪文のような歌詞ですが、間奏ではこれぞ呪文という部分がありますね。

パ・パ・パッキャマラドゥ
パ・パ・パットヒカル

クラリネット破壊楽曲で有名な「オーパッキャマラド」のやつですね。
あれって元はフランス語の「Au pas, camarade」だそうで、解釈は諸説あれど「友よ共に行こう」とか「一歩一歩行こう」みたいな意味らしいです。
『O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!』でも思いましたが烏屋茶房さんはこう、言葉選びの引き出し多くてすごいですね。ボカロ時代も文学関係の曲とか出してたし本いっぱい読んでんだろな(小並)


カバー曲に『手紙』をリクエストしたお父さんお母さんは自殺志願者と考えて間違いないと思います。


10. New Me, Continued

歌:765PRO ALLSTARS (各キャラソロ)
作詞:八城雄太 作曲:俊龍 編曲:Sizuk
収録:THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 4シリーズ

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MA4シリーズの共通曲です。
記憶が正しければですが、作詞八城さんがMORに出演したときに「変わらないものと変わっていくもの」をテーマに書いたと言っていた気がします。
もう、他に言うことはないなという感じです。

15周年を迎えるこの折、しばらく動きの少なかったASもミリシタで新曲が出たりMR公演やったり久々の単独ライブが予定されたりとまた盛り上がっていこうぜというところで世間がこんな状況になってしまいああもうなんでやねんという忸怩たる想いを各所抱いていたかと思いますが、
そんな中でも配信系のイベントに注力しつつ、今だからこそできるような新しい企画に挑戦していく姿勢はもうこれが世の中が変わっていく中でも変わらないアイマスの魂だなと感涙を禁じ得ませんよね。MR美希の配信めっちゃ良かったです。

どうでもいいんですがタイトルの頭文字を取るとナムコっぽくなるのは狙ってるんですかね。


11. Super Duper / Hang In There!

歌:Jus-2-Mint[佐竹美奈子(CV. 大関英里)、横山奈緒(CV. 渡部優衣)] (Super Duper)
作詞:MEG.ME 作曲:GRP, NIYA 編曲:GRP
(Hang In There!) 作詞:MEG.ME 作曲・編曲:塚田耕平
収録:THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 07

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ミリオンライブです。
ダブルエース改めJus-2-Mintの佐竹美奈子横山奈緒のユニット曲。
二人とも割とシルエットが似てるのもあってかよく組んでる印象ですが、注目したいのは声がなんというかどっちもカラッとしてそれでいてプリッとみたいな、海老の天ぷら?
そういう感じありますよね。そんな二人のシナジー。特上。

曲で言うとどっちもめ~ちゃくちゃノれるkawaiiクラブなミュージック。賃貸物件の人は床ぶち抜かないように気をつけてほしいです。
最近のミリオン曲の中では一番EDMっぽい曲かも。


Super Duper』はそこら中で入る合いの手が気持ち良すぎてかなり癖になります。とりあえずサビを聴いて欲しい。
自分が世界の主役になるぜ的なカリスマを醸し出してくる歌。

一方で『Hang In There!』はVS世界というよりは自分との戦いを描いた泥臭い曲です。
曲調はより激しく、歌詞にもある通りいわゆる「水面下ではバタ足してる白鳥」みたいな雰囲気ですね。

最強のライバルの自分に 鏡の前 宣戦布告

ストイックに自分を磨いていく様子はかなり心にきます。ダイエットとか筋トレ中に聴けば効果が出ることは請け合いです。
静かなBメロからライザップしてサビでハチャメチャになるの最高すぎますね。

『Hang In There!』編曲の塚田耕平さんによるとK-POPを意識してるらしいです。
言われてみれば?K-POPっぽい?気がする?
割と最近のアニソンシーンではK-POPのニュアンスが良く取り入れられてると聞きます。
あんまり聴かないからわかりませんがちょっと掘ってみる所存

俺ももっと輝きてえな………………という精神状態になる曲です。


12. 百花は月下に散りぬるを / 矛盾の月

歌:花咲夜[エミリー スチュアート (CV.郁原ゆう)、白石 紬 (CV.南 早紀)、天空橋朋花 (CV.小岩井ことり)]
作詞・作曲:藤本記子 編曲:福富雅之
収録:THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 06

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ミリオンライブからエミリー紬朋花のユニット花咲夜の2曲。 明らかにメインの曲名はいろは歌から、ユニット名は日本神話のコノハナサクヤヒメのもじりですね。
安直に考えてどちらも生の儚さ、転じて今を全力で咲くぜ的なソウルを表現していると見ていいでしょう。
声に艶のある綺麗めユニットです。

モチーフのごとく和ロックな曲調ですが、ブラスもスカっぽいかっこよさがあります。

来世(いつか)を願うより時は旬(いま)
可憐に散っていっそ本望

歌詞の方も武士みたいな潔さがかっこいいですね。くノ一なんですけど。
漢字が多いな~って思う。

一方で『矛盾の月』はテンポがやや抑えめになってムーディーな感じですが、
それでいてパーカッシブというか、リズムのアクセントが聴いててこれもかなりノれます。
百花は月下に~とは打って変わって年頃の少女っぽい歌詞で、キャラクターと相まっていい雰囲気です。
英語が多いな〜って思う。
ラスサビ直前のDメロ後半でBメロの音形がリフレインされるのいいですね。我こういうの好き。


13. Do the IDOL!! ~断崖絶壁チュパカブラ

歌:天空橋朋花 (CV.小岩井ことり)、エミリー スチュアート (CV.郁原ゆう)、七尾百合子 (CV.伊藤美来)、永吉 昴 (CV.斉藤佑圭)、伊吹 翼 (CV.Machico)
作詞:藤本記子 作曲:BNSI (佐藤貴文) 編曲:KOH
収録:THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 10

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問題児です。
古のインターネットスラングで言うと「どうしてこうなった」という趣ですが、これは2020年1月のミリシタ感謝祭の企画で宣伝ソングのテーマを視聴者アンケートをもとに決めた結果制作された曲です。
詳しい経緯は調べればすぐ出ると思うので割愛しますが、最終的なイメージは「チュパカブラになりきって断崖絶壁を登るような、新しい時代への挑戦をテーマにしたハードコアテクノ」となりました。
視聴者アンケートとはいえ用意された選択肢を見ればまあこうなるだろうなというものでしたね。マジシャンズセレクトというやつかも知れません。
壇上にいた作曲佐藤さんの苦笑いが脳裏に焼き付いています。
『OTAHENアンセム』と同じ時期の制作だったのではと思うとその心労たるや察するにあまりあります。お疲れ様でした。
作詞の藤本さんも感謝祭現地で他人事だと思って「絶対無理なやつやなぁ」と思っていたそうです。お疲れ様でした。


背景はさておき、まあいい意味でも悪い意味でも話題になりましたね。
普段アイマスをやらない方も覚えがあるのでは無いでしょうか。突然「チュパカブラ」がTwitterトレンドに入ってチュパカブラ界隈もひっくり返っていたようです。

個人的にはかなり好きな曲です。
ハードコアテクノアイマス全体でも(remixを除けば)前例がないジャンルではないかと思いますが、Dopeな雰囲気を出しつつきっちりアイドルの歌モノとしてまとまっていますし、ライブで聴ければかなり狂えると思います。
編曲KOHさんお疲れ様でした。
私たちはチュパカブラです」「今崖を登っています」「チュッパチュパのカブラです」「チュパチュパ」のようなセリフ部分は普通に「は?」という感じですが、まあかわいいですね。(確かセリフは作曲佐藤さんが考えたって話だった気がします)
ミリシタゲーム内で52人それぞれの演じ分けが聞けるのがなによりの資産です。


14. Glow Map

歌:765 MILLION ALLSTARS
作詞:原田 篤 (Arte Refact) 作曲・編曲:半田 翼
収録:THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE 10

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ミリシタ3周年記念曲。
にしてミリオンライブ7周年を彩る……はずだった曲。
2020年6月富士急コニファーフォレストで行われたアイマス史上初の単独野外ライブ、ミリオン7thはマジ最高でしたね。火とかバーって出て。花火とかドーンって上がって。灼熱少女マジ最高でした。ハァーーーーー

はい。
なかったことはしょうがないので今後に目を向けましょう。

周年曲というわけですが、今までのものとはちょっと毛色が違う雰囲気になっていますね。
これまでの舞台だった『劇場』から、もっと大きな世界に飛び立とうとする心持ちと期待みたいなものを感じます。
いってきます」ってなんか初めて聴いた気がしますね。

ストリングスにパーカッションとか全体的にオケがキラキラしていて、
胸を躍らすような高らかなメロが乗っかって、
夜空の下で展開されたら本当に綺麗だったんだろうなあと思います。

もう今はただただミリオンライブに祝福あれといった感じです。

無限の空に何度でもキラめく夢を描いて行こう…ずっと


15. ENDLESS TOUR

歌:春日未来 (CV.山崎はるか), 最上静香 (CV.田所あずさ), 箱崎星梨花 (CV.麻倉もも)
作詞:伊福部 崇 作曲:田中俊亮 編曲:酒井拓也 (Arte Refact)
収録:THE IDOLM@STER MILLION RADIO! ENDLESS TOUR

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ミリオンライブのWebラジオの3代目テーマ曲。いい曲過ぎてミリラジも終わるのかと思いました。
詞は放送作家の伊福部崇さん。
いつも通りというか、声優ネタラジオネタがもりもりでリスナーがクスッとできる内容です。
バカっぽくてわちゃわちゃしててラジオそのままな雰囲気が出ていて楽しそうです。でもいい曲。
ゲッサン漫画を描いた門司先生のジャケットもいい感じですね。ハワイでロケしたのにちなんでのハワイジャケット。
歌詞もちょっとグローバル感あります。バカっぽいですけど。いい曲です。
グローバルといえばサビの「ワーンツーいちにさんハイ」の合いの手がちょっと『The world is all one!!』感ありますよね。


16. シャイノグラフィ / Dye the sky.

歌:シャイニーカラーズ
(シャイノグラフィ) 作詞:古屋 真 作曲・編曲:ヒゲドライバー
(Dye the sky.) 作詞:烏屋茶房 作曲・編曲:ヒゲドライバー
収録:THE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 01

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光空記録My Shinography

シャイニーカラーズ2周年記念。
ちょっと名曲すぎてシャイノグラフィだけで一記事書くのに申し分ない感情があるんですが、とりあえずざっと書いていきます。

シャニマス3年目は「“変化してきた部分、変化していない部分”がテーマ」と制作P高山氏のインタビューで語られていました。
(奇しくもと言うべきなのか、先に触れた765ASの『New Me, Continued』の楽曲テーマと同じですね)
ユニットの中でのキャラクター同士の関係性を丁寧に描くことに定評のあるシャニマスですが、
新シナリオ「GRAD」や今後リリースされるソロシリーズなど、3年目にして個々のキャラクターがユニットから離れて各々の原点に立ち返るような展開を見せてきました。
まさしくそれを象徴するように「君の色」を見て、支えられながら今までとこれからの「自分の色」を見つめ直す様子を表現したのがこの『シャイノグラフィ』です。

あ〜長くなりそう。好きなポイントいきます。

ド頭から流れる鍵盤のリフ、形や調、楽器を変えながら最後まで何度も現れて、最終的にアウトロで上に転調した同じ形に戻るの最高だと思います。

サビの1フレーズ目はほとんど一音ずつ上行していくだけの音形になってます。
せっかくなのでわかりやすいように楽譜も用意してみました。
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ドラムの疾走感も加わってまさに助走というか、滑走路から空に飛び出していくようなそんな印象です。
サンセットスカイパッセージってもうこのメロディのことじゃないですか?

※サンセットスカイパッセージは3年目で追加された衣装の名前。この曲のジャケットで着てるやつ
ちなみに恒例の衣装ポエムの共通文言は「スタッカート」でこれは音楽用語で「ほかの音と分けて」みたいなニュアンス

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色って心で見てるんですよね


歌詞とか引用しだすとキリがないので『Dye the sky.』の話に行きます。
こちらも変化をテーマにした曲ですが、打って変わって強さのある曲調です。
覆せ」「叩きつけろ」「打ち破って」と意識的にかなり強めの言葉を使っている印象です。
なんというか西部劇のエンディングの夕焼けみたいな哀愁も漂わせた雰囲気がありますよね。

顕在せよ過去を超えてく光
この空を染めるほど強く

空ってシャニマスにとってはキャンバスに例えられるように表現の場所、キャラクターの個性そのものだと思うんですけど、
それを「昨日の私を打ち破って」「塗り替えて」も誰にも文句は言わせねえぞと、相当な強度の我を主張してくる曲です。

こういうコンテンツに触れてるとやっぱりキャラクターに対して凝り固まった解釈を持つこともあると思うんですが、時間が経つにつれ徐々に公式側がそこから変わってきたりもするんですよね。
成長として楽しんでいきたいもの。


17. いつだって僕らは / あの花のように

歌:ノクチル〔浅倉 透(CV.和久井 優)、樋口円香(CV.土屋李央)、福丸小糸(CV.田嶌紗蘭)、市川雛菜(CV.岡咲美保)〕
(いつだって僕らは) 作詞・作曲・編曲:秋浦智裕(onetrap)
(あの花のように) 作詞:きみコ 作曲・編曲:Lantan
収録:HE IDOLM@STER SHINY COLORS GR@DATE WING 07

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シャニマス3年目の話をするなら当然新ユニット「ノクチル」の話をしなくてはなりません。
幼馴染4人組のユニットということでアイドルになる前から付き合いがある関係性が新しい風を吹き込みました。
浅倉透にいたっては子供時代にプロデューサーさんと会ったことがあるという仕末。

その辺は置いといて曲の話をすると、 爽やかバンドサウンドがもう青春丸出しで最高〜〜〜とかシンセの音が光を反射する水泡のきらめきみたいな感じで超よすぎる〜〜〜とかいろいろあるんですけど、
とにかく言いたいのはサビ頭の歌詞、

光集めて 響け遠くへ (せーの!) 未来を呼んでみようよ

(せーの!)の位置ヤバくない??
普通こう、(せーの!)って曲始まるところとかサビ前の盛り上がる直前とかなんかそういう丁度いいとこに入ってくるじゃないですか。でもそんなんじゃダメなんですかね?
もう盛り上がり始めたサビのフレーズのど真ん中に入ってくるんですよ。
Bメロまで一人ずつ歌い分けていって、サビで全員集合して勢いをつけてからの(せーの!)です。
これによってもう完全に足並みを揃えて海に、未来に飛び込んでいく4名の姿が想像される、いやもはや思い出されますよね。絶対見たことあります。
(せーの!)で泣いたのは人生初めてでビビりました。

歌い分けといえばパート振りがかなりえげつないのでそこも注目したいところです。樋口円香とかいう女がチートすぎる。

カップリング『あの花のように』はさらにド青春な曲ですね。作詞はnano.RIPEのきみコさんが来てくれて最強になりました。
夏……海……花火……
シャニマスのイベントシナリオ『天塵』を読んでいない方がいたら今からでも遅くないので早急にどうにかするべきだと思います。


ノクチルが最初に発表されたときの配信で、イメージカラーは「ウルトラマリン」だと語られていました。
ウルトラマリンは「なんかすごいマリンブルー」ということではないんです。
中世からルネサンスくらいの話になると思いますが、ヨーロッパの画家にとってこの色の絵具の原料であるラピスラズリはとても希少なもので、アフガニスタンから海路で輸送しないと手に入らない、金以上の価値がある代物であったと言います。
「海を越える」から「ウルトラマリン」なんです。

海を目指した4人はこれからどこまで行くのか、そしてどんな道のりを辿るんでしょうか…………


どうでもいいんですが僕は先日外をぶらついていたら仲の良さそうな女子高生の一団が楽しそうに歩いているのを見かけて「無敵じゃん」と感じ、
多分あれがノクチルの"""本質"""なんだろうなと思い至って泣きながら一人でラーメン屋に入りました。


18. Hide & Attack / Destined Rival

歌:ストレイライト〔芹沢あさひ(CV.田中有紀)、黛冬優子(CV.幸村恵理)、和泉愛依(CV.北原沙弥香)〕
(Hide & Attack) 作詞:下地悠 作曲:本多友紀Arte Refact)編曲:河合泰志(Arte Refact
(Destined Rival) 作詞:下地悠 作曲・編曲:大西克巳

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ストレイライトです。
ノクチルが加入してからまだ半年ちょっとしか経ってないと思うと驚きですが、
こいつらもまだ1年余りというんだからちょっと信じられない感じがします。
もう1000年くらいストレイライト帝国が栄えてるような気分ですが、これはやっと出たユニットCD2枚目です。濃すぎるんだよ。

曲はまあ最高です。

リード曲『Hide & Attack』はテイストとしてはオリエンタルなデジタルロックで、衣装もそうなんですがストレイのサイバー感と和風を見事に融合していて感服しました。サイバーと和の組み合わせが大好きなので。

1枚目の『Wandering Dream Chaser』が良すぎただけにかなりハードルを感じてましたが、雰囲気を変えながらもストレイらしい曲になってると思います。アドレナリンドバドバ。
今回は二面性がテーマということでさらにキャラクターの内面に踏み込んだ感じでしょうか。
メンバー同士のバチバチのぶつかり合い感もあってああストレイの曲……ストレイの曲だ…………

艶(あで)やかに咲いた 演じる私 (Mysterious)
本物だけが全てと 決めたくないから

ここは本日のヤバすぎポイント


カップリング曲『Destined Rival』はよりバチバチのぶつかり合い感をフィーチャーしてますね。
互いはもちろん自分がライバルみたいな。
ミドルテンポですがかなり重めのサウンドです。トびます。
悪い音で攻めてきて時々いい優しい音が入ってくるアメとムチ型電子ドラッグで脳を破壊しましょう。

10月から11月にかけてに行われた配信ライブ「MUSIC DAWN」でも披露されましたが、ソロダンスとか入ってきて精神が暴走しそうでした。
MDは他のユニットなんかももちろんだしノクチルもライブ初登場でああ……おい……という感じだったので絶対に観るべきだと思います。




年始くらいに続きを書く気はあります。
(続きを書いたらこの辺にリンクを貼る)